男性は、同居者がいるにも関わらず「孤食」の場合、死亡リスクが「共食」の1・5倍にも上ることを指摘した。
7月10日に、東京・日本橋のコングレスクエア日本橋で開催された「第5回アマニフォーラムセミナー」で、千葉大学予防医学センターの近藤克則教授
=写真=が述べた。
近藤教授は、東京医科歯科大学が昨年3月に発表した研究結果を引用した。
研究は、全国24市町の65歳以上の高齢者7万1781名(男性3万3083名・女性3万8698名)を3年間追跡し、「孤食と死亡の関係」を調査した。
これによると男性は、「同居・共食」を1とした場合、「同居・孤食」の死亡リスクは1・47となった。「独居・共食」は0・84、「独居・孤食」は1・18で、「同居・孤食」が際立った結果を示した。
同様に女性の場合は、「同居・共食」を1とした場合、「同居・孤食」は1・16に止まった。
この結果について近藤教授は、「もうひとつ別の論文で、一人で食べる人には『うつ』が多いと出ている。つまりメンタルヘルスの面が間違いなく影響していると思われる」と指摘した。
さらに「同居で同じ食事をしている、という観点から見ても、一人だと『昨日の残り物でいいや』で済ませてしまうことも多い。これに対し、誰かと一緒だと『もう一品つくろう』とか、食事の多様さに差が出てくる。実際に孤食の人たちの方が野菜の摂取頻度が低い等、望ましくない食習慣が多い、という結果も別の論文で出ている。そのような要因が、積み重なった結果だと思われる」等と述べた。